熊倉順吉の陶芸/熊倉順吉展・現代陶芸のパイオニア・生命のかたち・陶芸の制作や作風の変遷を集成し活動の全貌を展観/2冊/走泥社の一員

商品説明
熊倉順吉の陶芸/熊倉順吉展・現代陶芸のパイオニア・生命のかたち・陶芸の制作や作風の変遷を集成し活動の全貌を展観/2冊/走泥社の一員

熊倉順吉の図録、2冊でまとめてみました。 1989年 183P 1991年 厚さ約1㎝ 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

〇熊倉順吉の陶芸

戦後の日本工芸界は実用性を離れた作品の出現によって,新たな問題を抱えながら展開してきました。それは陶芸の分野において,最も早く現れましたが,その中心的役割を果たしたのが陶芸家グループ・走泥社であり,熊倉順吉も1957年にその同人となり,以降主要なメンバーとして活動しました。

そこでは陶芸によって非実用的な立体造型物をつくることの意味,彫刻との違いなどが鋭く問 われましたが、60年代の半ば頃に「オブジェ焼」と呼ばれる新しい陶芸の表現が確立しました。 熊倉も当初、彫刻様式の積極的な取り込みに専心しましたが,やがて土と炎という陶芸の秩序に 立ち戻り,やはり60年代半ばに土ならではの独自の作風を確立しました。以降,彼は現代社会に おける抑圧された人間や生命の回復をテーマに,それを陶芸のもつ一定の秩序の中で表現するこ とに努めました。生活レベルでの人間の回復のためクラフト運動に取り組んだのも同様な見地からです。

今展は,熊倉順吉の様々な作風の変遷を追いつつ,その意味と戦後陶芸史上における位置を考えていこうとするものです。
本展のために,格別のご高配を賜った御遺族や関係者の方々、貴重な作品の貸与を惜しまれなかった御所蔵家各位に深く謝意を表します。

1989年9月
東京国立近代美術館長 大崎 仁

〇熊倉順吉展

このたび西武アート・フォーラムでは一現代陶芸のパイオニア・生命のかたち一熊倉値吉展を開催致すはこびとなりました。

戦後、時代の大きな変化の中で、陶芸界でも伝統的様式や実用性を離れた、新しい傾向の作品が多く生みだされました。

走泥社は、そうした動きの中心として多くの陶芸家を輩出してきました。当時、新匠会、モダン アート協会で活躍していた熊倉順吉は走泥社同人となり、その主要なメンバーとして終生活動を続けました。

熊倉順吉の胸芸は、様々な矛盾や抑圧を抱える社会の中で作陶を通じて自己や、さらには人間そのものの生命を回復させる作業でした。

本展は1989年に東京国立近代美術館で開催された熊倉順吉展の成果を踏まえ、熊倉順吉の陶芸の制作、作風の変遷を集成し、作家の多岐にわたる活動の全貌を展観するものであり、極めて意義深いものであると信じます。

現在において、熊倉順吉の追求した陶芸の存在と、その意義はますます大きなものとなってい ます。多くの美術愛好家の皆様の御高覧をお待ちしております。

最後に本展開催にあたり、ご尽力をいただいた熊倉綾子様をはじめご協力の美術館、所蔵家の皆様及び関係者各位に厚く御礼申しあげます。

1991年9月
西武アート・フォーラム

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

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