赤松氏・三木氏の文献と研究/神栄宣郷/本書はとかく沈滞しがちな赤松氏研究に重要な足がかりをつくられたものとして敬意を表したい

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赤松氏・三木氏の文献と研究/神栄宣郷/本書はとかく沈滞しがちな赤松氏研究に重要な足がかりをつくられたものとして敬意を表したい

昭和49年 492P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

赤松氏

中世，播磨 (はりま) の豪族。南北朝・室町時代の有力な守護大名
村上源氏。則村 (のりむら) は元弘の変で後醍醐 (ごだいご) 天皇に味方し，建武新政府に参加したが，恩賞に不満をもち足利尊氏に属した。初め播磨守護に任じられ，のち備前・美作 (みまさか) （岡山県）の守護を兼ね，足利方の有力な守護大名となり，四職家の一つに数えられた。1441年満祐 (みつすけ) が将軍足利義教 (よしのり) を殺した嘉吉の乱で幕府軍と戦って敗死し，没落。その後一族の政則が再興したが，義祐のとき家臣浦上氏に領国を追われ，1600年関ケ原の戦いで則房が戦死して一族は離散した。

三木氏

飛?の戦国大名。応永年間(1394‐1428)京極氏の代官として南飛?竹原郷に下向，土着したというが，確実な史料上の初見は文明3年(1471)。出自についても京極氏支流多賀氏一族説など諸説ある。直頼のとき，永正末年益田郡の大半を攻略して萩原上村に桜洞城を築城，大永年間(1521‐28)には高山盆地に進出，本願寺門徒や高原の江馬氏，古川の姉小路氏などとの協調の上に飛?での権力基盤を確立した。良頼，自綱（よりつな）の代には上杉氏，武田氏など周辺諸勢力と複雑に離合しつつ，1560年(永禄3)姉小路氏の名跡を継いで国司を号し，織田信長の美濃攻略以後は信長に好誼を通じた。

厳父一年祭の手向けに生前の遺稿をまとめ、『播磨郷土史の研究』と題して上梓されたのは一昨年の十月であっ た。私は、請われるままに序文を書いたが、発売後二か月で売切れたのにはいささか驚いた。こうした性質の書物は 一般に息が長く、すべり出しは派手でなくとも徐々に浸透していく、というのが普通である。いろいろの好条件がか ちあった結果とはいえ、こんなに早く売切れるケースはちょっと珍らしい。やはり、神栄宣郷さんの余徳があったの であろう。

それより一年半、令息の趣郷さんは、続いて『赤松氏の文献と研究』を上梓されることとなった。実は、昨年の暮 にお邪魔したとき、計画の一部を話されたが、手廻しの早さに感心させられる。先日届いた手紙では、大体の準備が ととのったということであり、引続き序文を書いてほしいと書き添えてあった。

私は、実のところ、まだ、この原稿を見ていない。しかし、これを『播磨時報』に連載されていた昭和三十九年に 手紙をもらい、完結したのち、一括お送りする、といっておられたものである。それだけに、何か因縁めいたものを 感じ、再び筆をとることとした。

神栄さんの研究は、さきにも書いたごとく、地域は播磨中央部の海岸地帯が中心であるが、内容はかなりの幅があ る。専心奉仕される神社のことはいうまでもなく、さらに、『萬葉集』や『播磨国風土記』などの古典研究、考古学 や民俗学に関連する研究、その他、郷土資料や郷土の古地図・古文献など、なかなか広い。そうした中で、今回のも のは、赤松氏を中心とする研究や関係文献をまとめたものである。次に、そうした問題に関連して、少し述べてみよ う。

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